性的屍姦 (しかん) とは、
死体を姦する (犯す) ことを言う。広義には、死体に欲情する
性的嗜好をも指し、これはまた、屍体性愛とか、ネクロフィリア (necrophilia。
リヒャルト・フォン・クラフト=エビング |
フォン・クラフト=エビングの造語で、『性的精神病理』が初出か) とも呼ばれるものである。
性倒錯の一つである。死体を姦するため、「死姦」という表現もあるが、屍を姦するので「屍姦」が正しい。正確には死姦ではないが
遷延性意識障害 |
植物状態の患者が、無抵抗なまま性的陵辱を受けることがあり、犯意としては共通の心理によるものである。
==歴史に見られる事例==
*屍体性愛は、他の性倒錯と同様に、非常に古くから人類の内にあったと考えられるが、異常である故の秘匿な行為であった為に、実例を見つけるのは難しい。
ヘロドトスの『
歴史_(ヘロドトス) |
歴史』の第二巻には、
古代エジプトでは、位の高い男の妻や、美しい女が死んだ場合、
ミイラ |
ミイラ職人に屍姦されることのないよう、死から3、4日たった後に死体を引き渡した、という記述がある (ただし、仮にヘロドトスの記述が本当であるとすれば、屍姦の事例の極めて古い証言となるが、このミイラ職人達が一般にネクロフィリアの嗜好を持っていたとは断言出来ない) 。古代には、死者との性交が魔術的な意味を持っていたと考えられる場合もある。
モチェ文化のものとして、廃墟で生者と交わる骸骨の死者が描かれた陶器が出土しているという。
*18世紀
フランスの
売春宿では、
女が
棺桶の中で死体のふりをし、
男性が
牧師の姿になり交わるという屍姦的なサービスを行っている所もあり、一部の人間にはかなりの人気があったようである。また、
サラ・ベルナールが普段から棺桶で眠っていたという話はよく知られている。
*近代以降になると、巷の事件として屍姦の例を多く見ることが出来る。
歌舞伎の演目「
心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)」は、実際の屍姦事件を基にして書かれた(この中では、お房が生き返る)。
==詳細==
*主に下記の行為が当てはまる。
**死体を姦淫する行為自体に興奮を覚えること。
**死体を姦淫する行為を見る事に興奮を覚えること。
*これ以降の行為は分けて扱われる場合もある (「淫楽殺人」、
猟奇殺人など) 。
**
強姦して相手を
殺害してしまう行為その物に興奮を覚えること。
**男性が女性に対して強姦し、また絞殺することによって相手が死ぬ直前に窒息状態になることから
膣穴が縮小し男性の
性器を強く刺激することによる強度の刺激から来る快感と、相手を死に至らしめる達成感に興奮を覚えること。
**強姦して相手を殺害してしまう行為を見ることに興奮を覚えること。
==現在==
現在、日本では屍姦そのものについて罪に問われることは無い。日本では
火葬が主なので、家族以外の個人が人気のないところで遺体に接することの出来る機会は、
霊安室や宗教施設、
検視室などに限られている。あえて不心得者(外部からの侵入者の場合も、夜間や人気のないところで遺体に触れることの出来るそれらの施設の特権的地位にあるものである場合も考えられる)から家族を守るためには家族が火葬まで常に監視し第三者が付け入る隙を見せないことにある。着衣の乱れなどから疑わしい場合は警察に届ける必要がある法的に罰することは出来なくとも
免職や資格や
免許を剥奪するなど社会的制裁は可能である。。現在
DNA鑑定技術が発達しており犯人の特定は十分可能である。上記の植物状態の患者に対する性的暴行も常に患者の家族が監視することで防ぐことが可能である。
いずれにしても、
殺人や死体損壊に繋がる行為であり、社会的に許容されることはまずあり得ない(著名な日本人としては
小平義雄、
栗田源蔵、
佐川一政などが挙げられる)。逆に言えばそれゆえに研究が遅れている分野でもある。このような性的嗜好が顕在化する要因として、
ジークムント・フロイト |
フロイト派では、幼少時に見た「
眠っている母親の姿」に愛情を感じ、それが欲情へと変化する為であると主張している。また、眠っている相手との性行為を体験したことがきっかけで顕在化することもあるという。これとは関係ない説として
自尊心の弱さが逆らえない相手に対する欲望を生むという説もある。
アメリカ合衆国 |
米国では
2004年、
カリフォルニア州アーノルド・シュワルツェネッガー知事が屍姦を禁止する法案を承認した。これまで法的に罰することが出来なかった死体との姦淫が公式に不法なものとなった。(原則として
土葬が中心の米国では、この種の事件が多発している
要出典)
山口県光市母子殺害事件では、加害者が被害者を殺害した後、辱めたとされている。この事件を契機に、日本でも屍姦そのものを法的に罰する法律の整備を求める世論が高まっている現状にある。
== 屍姦を題材にした創作物 ==
*『
ネクロマンティック』 (
ユルグ・ブットゲライト作の
映画。)
*『
愛の流刑地』 (
渡辺淳一作の
小説。)
*『
眠れる花嫁』 (
横溝正史作の
推理小説。)
== 関連項目 ==
*
緊縛*
サディズム*
マゾヒズム*
SM (性風俗) |
SM*
猟奇殺人*
鬼畜*
カニバリズム*
エド・ゲイン*
テッド・バンディ*
ジェフリー・ダーマー== 脚注 ==